小学校受験では手先の器用さを見る巧緻性の問題がよく出題されます。
「折り紙が上手に折れない」「箸のきれいな使い方を教えるのが難しい」など、巧緻性の向上に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
私も小学校受験の経験を通して、巧緻性アップの難しさを痛感した一人です。
この記事では、小学校受験で出題されやすい巧緻性の例題を紹介します。
巧緻性の問題を通して、学校側が見ているポイントも合わせて解説。小学校受験対策の参考にしてください。
巧緻性向上に役立つ知育玩具や教材についても詳しくまとめています。
さまざまなツールを活用して、親子で楽しく巧緻性の練習に取り組んでみてくださいね。
小学校受験に出る巧緻性の問題とは?
小学校受験では、必ずと言っていいほど巧緻性の問題が出題されます。
指示を最後まで聞いて作業する、指示行動の分野も含んでいるため、お子さんの集中力も求められます。
各項目別の出題傾向や、私の子どもが通っていた幼児教室で出題された例題とともに、おさえるポイントをまとめました。
工作・絵画
工作・絵画で出題される問題では「折る・切る・塗る・貼る」という複数の作業が含まれた問題が出題される傾向にあります。
作業手順について先生の指示がある場合がほとんどですので、先生の話をしっかり聞けるかどうかも含め、お子さんの総合力が求められるといえるでしょう。
幼児教室で出題された巧緻性の例題を2つ紹介します。
- 魚とイカを点線部分で折る
- 線にそってハサミで切る
- 次のページに海の絵を描く
- 描けたら海の中に魚とイカをのりで貼る
- 魚とイカの足りない部分を描き足す(目・うろこ・イカの足など)
手先を使う作業が一つだけじゃなくて複数あるね!
「私はおばあちゃんと一緒にスーパーに行って、とうもろこしときのこを買いました。」とお話を聞いてから制作にかかる
- きのこの傘の部分を切る①
- じくの部分を切る②
- とうもろこしの葉の部分を切る③
- とうもろこしの実の部分を切る④
- ザルにきのこととうもろこしをのりで貼る
- 空いているところに好きな野菜を3つクレヨンで描き加える
工程が複雑で、問題を理解して丁寧に作業できるかどうか、最後まで作業をやりぬく力が求められています。
折り紙
上の図のように、同じ形が4枚できるように折り紙を折るという問題です。子どもが自分で考えて折ることが求められます。
普段から折り紙を使って遊ぶ機会を作って、いろいろな形を折れるようにしておきましょう。
折り紙のお手本映像を見ながら一緒に折るという問題が出題されたケースもあります。
小学校では、黒板もしくはホワイトボードに書いた先生の字を見て、ノートに書き写す作業があるので、映像と手元を交互に見る作業ができるようになると、小学校での授業もスムーズに取り組めます。
幼児教室では、YouTubeの折り紙動画を活用して練習することをすすめられました。
YouTubeの折り紙動画では手元をアップにしたものもあるので、チェックしてみてくださいね!
豆つかみ
箸を上手に使えるかを見る豆つかみは、多くの小学校で出題される問題です。
私の子どもが一番苦手だったものが豆つかみです。箸の持ち方がなかなか上手にならず、内心焦りがいっぱいでした。
容器に入った豆を別の皿に移す問題がポピュラーですが、豆を多く移せればよいというわけではありません。
正しい箸の持ち方ができるように少しずつ練習しましょう。
箸の練習方法のコツとおすすめの箸については後述します!
ひも通し
ひも通しは、指示行動の一部として出題されることが多くあります。子どもが通っていた幼児教室で出題された例題を紹介します。
※ひも通し用の穴があいた紙エプロンとひもが用意されている
- ポケットに好きな色を塗って、点線にそってハサミで切る
- エプロンに切り取ったポケットをのりで貼る
- エプロンに好きな模様を描く
- エプロンにひもを通し、前で玉結びをする
ひも通し単体で出題されることはあまりありませんが、手先の細かい動きに慣れるよう、練習しておくと安心です。
ひも結び
山田繊維株式会社
ひも結びも小学校受験ではよく出る問題です。ハンカチを使ったお弁当包みを指示されることが多く、包んだハンカチをほどいてたたむところまで出題される場合もあります。
結び方の基本は「真結び」です。本結びとも呼ばれ、包んだものと平行に揃います。直角になる「縦結び」にならないよう注意しましょう。
洋服たたみ
洋服たたみも指示行動の一環として出題されます。実際に小学校で出題された問題を紹介します。
- スモックを着てお絵描きをする
- 絵が完成したらスモックをたたみ、鉛筆・クレヨンと一緒に指定された場所に片付ける
洋服たたみは、小学校生活をスムーズに送れるかを判断する材料のひとつです。
洗濯物をたたむお手伝いをしてもらうなど、日頃から練習しておくとよいですね。
小学校受験では、巧緻性の問題とともに図形問題もよく出題される傾向にあります。こちらの記事では、図形問題の対策に役立つ情報をまとめました。
小学校受験でなぜ巧緻性対策が必要なのか
巧緻性を向上させるには、ペーパー問題とは異なり、親子の深いかかわりが必要となります。
小学校受験でなぜ巧緻性対策が必要なのか、学校側がお子さんの様子を通して重視する点を紹介します。
子どもの普段の様子を見ている
巧緻性の問題を通して、学校は次のような点を見ています。
箸やハサミなどの道具を上手に使えるかどうかは、基本的な生活習慣に結びつきます。
使いこなせることで、落ち着いて授業に集中でき、物事に対して丁寧に取り組めるといえるでしょう。
巧緻性の練習をすることで、最後まであきらめずに取り組む粘り強さが育ちます。
出題される問題によっては、人数分道具が用意されておらず、他の子と道具を譲り合って使えるかどうかも見られています。
使い終わった道具をそのままにせず、きちんと片付けるなど、普段の生活でも自分のことは自分でできるようにしておきましょう。
家庭での親子の様子がわかる
巧緻性の問題に必要な道具の使い方は、家庭での取り組みが大切です。
保護者が子どもにきちんと向き合っているかどうか、最低限のしつけができているかどうかなど、親子のかかわり方を見ています。
- 洗濯物たたみや料理など、子どもにでもできる範囲で家事のお手伝いをしてもらう
- 折り紙や塗り絵など、親子でできる遊びを積極的にしてみる
- 自分で使ったものは自分で片付けるよう声掛けをする
少しずつでいいので、家庭でできることから始めてみてくださいね。
忙しい毎日でも受験対策を進められるよう、毎日のスケジュールの効率的な組み方を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
巧緻性のトレーニングと効果的な教材を紹介
巧緻性を伸ばすトレーニングに活用できる知育玩具や教材をまとめました。手先を使う上でおさえておくべきポイントも解説します。
巧緻性アップに焦りは禁物。継続的に少しずつ練習していきましょう。
ひも通し
楽天
ひも通しの教材は複数のメーカーから販売されています。
子供が通っていた幼児教室でも、授業が始まる前にひも通しをして遊んでいました。遊びながら巧緻性を伸ばすことができるので、家庭でもぜひ取り組んでみてください。
学研むすびのれんしゅう
学研
学研から販売されている「むすびのれんしゅう」は、我が家で取り組んでいたものです。朝の勉強時間の終わりに取り入れていました。
ひもが左右で赤色と黄色に分けられているので子どもでもわかりやすく、丁寧な手順も書かれており、コツコツ取り組めば確実にひも結びが習得できます。
絵柄もかわいらしく、ひもを結ぶことで絵が完成するので、楽しく練習できるのも魅力です。
くもん工作ドリル
くもん出版
ドリルを種類豊富に取り揃えているくもんですが、紙工作のドリルも充実しており、2歳から取り組める紙工作ドリルがあります。
ハサミは危なくて使わせるのが不安と思っている方も多いかもしれません。我が家でも初めて使うときは、内心ヒヤヒヤしながら見守っていました。
くもんの紙工作ドリルは、ハサミを使うのが初めてのお子さんでもスモールステップで取り組める内容です。私の子どももずっとお世話になりました。
作った作品はごっこ遊びやおままごとなどに利用して、親子で楽しくたくさん遊んだのは懐かしい思い出です。
箸の練習
農林水産省
- 上の箸を上下に動かす練習と、下の箸をしっかり固定する練習をする
- 丸めたティッシュや小さく切ったスポンジなど、つかみやすいもので練習する
- ゲーム感覚で楽しく遊びながら練習することを意識する
- お子さんの手に合ったサイズの箸を使う
いきなり豆つかみの練習をするのではなく、一本ずつ箸を持つ練習から始めて、二本の箸を動かす練習、柔らかいものをつかむ練習をしていきましょう。
うまくできなくても焦らず、スモールステップで練習することが大切です。
使う箸のサイズも確認しておきましょう。親指と人差し指を直角に広げた長さの1.5倍が適切なサイズの目安です。
- 2~3歳 13cm
- 4歳 14cm
- 5歳 15cm
上記はあくまで目安となりますので、実際のサイズを測って購入してください。
我が家で使っていた箸はこちらです。指の形に合わせてくぼみがあるので持ちやすい!
お弁当を自分で包む
ひも結びの練習に役立つのがお弁当包みです。小学校受験の問題でもお弁当包みが出題されるケースがあります。
おままごと遊びを通して練習しても良いですし、幼稚園や保育園でお弁当の日があれば、お子さんにお弁当包みをしてもらうのもおすすめです。
子どもが通っていた幼稚園では週一でお弁当の日があったので、お弁当包みは子どもの役目でした。
最初は子どものそばで包む様子を確認していましたが、慣れてくると一人でもきれいに包めるようになりました。
折り紙遊び
折り紙は親子一緒に楽しく遊びながら練習できます。最近では折り紙動画がたくさんアップされているので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
私の子どもは実は折り紙があまり好きではなく、一緒に折り紙遊びをしようと誘っても気乗りしない様子でした。
そんなときに見つけたのが「一日10分ひとりでおれるおりがみ」です。折り紙に絵が描かれており、折り方がわかりやすいのが魅力。
折り紙の入門編として、すきま時間や外出先で一人でもできるので、ぜひ活用してみてくださいね。
小学校受験の巧緻性アップには普段の生活習慣が大切
小学校受験で出題される巧緻性の問題は、手先の器用さやあきらめずにやりきる根気強さや、家庭での生活習慣や親子の関わりを見ています。
巧緻性を向上させるには、少しずつ継続して取り組むのが大切です。
毎日の遊びやお手伝いを通して、手先を使うのが上手になるだけでなく親子のきずなも深まります。
日頃のお手伝いとともに、教材や知育玩具を活用して巧緻性アップにつなげましょう。